札幌市教委に対する人事要請書原文

2022年11月24

札幌教育委員会

教育長 檜田 英樹 

                                全札幌教職員組合

執行委員長 佐々木 一次

                  人事に関する要求書

はじめに

 教職員の採用・任用・人事交流は、憲法の理念の実現を目指し、将来の社会の主人公となる子ども達にゆきとどいた教育を保障するために、真に適正な学校教職員集団の構成等をはかることを基本目標に行われなければなりません。

 

1 教職員の人事交流を行うにあたっては、次の目標が達成されるように努めること。

    学校の適正な教職員集団の確立

    教職員の自主的創造的教育活動の保障

    教職員の生活・教育諸条件の改善

2 人事異動(留任)にあたっては、本人並びに教職員の意見を尊重すること。その際、学校長の内申権・具申権を尊重し、それが民主的、公正に公使されるよう適切な助言・指導を行うこと。「長年勤務者」の解消にあたっては、本人の納得のもとで行い、機械的・強制的異動になることがないように配慮すること。 

3 主任制度にもとづく特定の教員の主任命課を目的とした人事異動は行わないこと。

4 子育てや介護の事情を抱えている人が、働き続けられるように、人事異動にあたっては条件整備を含め、十分配慮して行うこと。

5 新採用者の配置については、教職員構成のバランスを考えること。

6 再任用制度については、希望者の任用を保障するとともに、「登録者」については、全員任用すること。

7 定数内期限付き教職員の解消を図り、正規教職員を配置すること。

8 産休・育休等の場合、速やかに臨時教職員を配置すること。

9 期限付き採用教員が教員採用を希望する場合、教員経験を考慮した選考を行うこと。期限付きで数年の採用がされた場合、担任を持ち、部活動などを献身的に行い、保護者などからも信頼されている。例えば、他県でも実施しているように、数年の臨時採用経験がある者は、1次試験の一般教養と教職教養を免除する等を検討すること。

10 第一次選考合格者に対しては、次年度の第一次選考免除枠を拡大すること。

11  選考の検査判定の基準を明確にすること。

12  期限付き採用教職員の研修について、自主研修時間や研修機会を保障すること。

13  国による学級編成基準の改善で小3まで35人学級が実施され、札幌市では小4は一部の小学校で施行的実施となっているが、国の予算措置を待たずに前倒しして全学年35人学級の検討を進め、速やかに具体化を図ること。

14   管理職人事、学校長・教頭の起用にあたっては、管理職の適格要件として、次の事項を基本とすること。

    憲法・子どもの権利条約に基づく教育を推進する態度を堅持していること。

    教育者として、子どもの成長と発達に心を尽くす学校づくりのために、誠実で熱意を持っていること。

    教育の主権者は、国民であることを理解し、その立場で保護者・地域住民とも協力して学校づくりを進める態度を持っていること。

    全教職員とともに民主的な学校運営を進める態度を持っていること。

    長時間過密労働の中で、山積みする教育課題の解決を迫られている教職員の困難を理解し、ともに解決する立場を堅持すること。

    組合活動に対し、誠意を持って対応する態度を持っていること。

    「パワーハラスメント」についての見識を深め、教職員への対応について、十分に配慮する姿勢を持っていること。

15   主幹教諭の起用については、上記14の①~⑦までを、適格要件とすることを基本とし、教職員の協力共同が生きる学校づくりのために尽力する姿勢を求めること。

 

16  人事に関して問題が生じた場合は、全札幌教職員組合と十分協議し、誠意をもって解決にあたること。